2011年09月30日

高麗美術館~刺繍ポジャギとチョガッポ

高麗美術館~刺繍ポジャギとチョガッポ


京都、堀川通の北のつきあたり…
加茂川中学近くの閑静な住宅街に佇む<高麗美術館>
朝鮮半島の美術品を専門に扱う国内でも唯一の美術館です。
普段は、朝鮮時代の華やかな屏風や高麗青磁・朝鮮白磁などの陶磁器、絵画、石造美術品などが展示されています。

高麗美術館~刺繍ポジャギとチョガッポ


ここで、現在開催中の“刺繍ポジャギとチョガッポ展”を見ました。
ポジャギは(褓子器)と書き、ものを包んだり覆ったりする四角い布のことで、日本の袱紗や風呂敷に近いものです。
ポジャギのうち、ハギレを縫いつなぎ一枚の四角い布に仕上げたものをチョガッポと呼びます。
こちらはまさにパッチワークそのもの。

今回展示されていたポジャギは、さまざまな色糸を縦横にちりばめた刺繍ポジャギ。
その鮮やかな色の取り合わせと、花や鳥をデザインした刺繍の細やかな美しさ。
四隅に房を思わせる布を縫いつけたものなど、きっと袱紗のような使い方をしたのだろうと想像できます。

片や、さまざまな大きさの同じ布を幾何学的に縫い合わせたチョガッポ。
一色だけのものや、同じ色の濃淡など、種類はさまざまです。
窓際に飾りつけられた淡い手ざわりのチョガッポが、陽光にその縫い目を浮かびあがらせて静かに揺らぐさまは、何ともいえない美しさです。

パッチワークの勉強にというmikuに、例によってくっついて来たアンクルでしたが、手芸品というよりアートと呼べるこれらの作品にすっかり魅せられてしまいました。

儒教思想の影響が色濃かった朝鮮では、女性は一段下に見なされて、ほとんど家に縛りつけられる一生を余儀なくされたといいます。
そんな閉じ込められた世界にあっても、なお才能を開花させようとした女性たちの想いが伝わってきます。

高麗美術館~刺繍ポジャギとチョガッポ


あざやかな華やかさの陰にそこはかとなく漂う哀しみの色あいは、そんな女性たちの心のひだを映し出しているのかも知れません。



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Posted by アンクル at 20:30│Comments(2)アート
この記事へのコメント
TBありがとうございます!
い~ですね。ポジャギ大好き。色の組み合わせの妙が、
日本とはまた違う感覚で素敵。
刺繍ポジャギとは初めて聞きました。おもしろそう!
Posted by sakra at 2011年10月02日 08:58
美ガールさま
こう見えて割合アートしてるでしょう?
高麗美術館はこじんまりとした所で、こんなところにこんなんがという感じでした
青磁や白磁、甕、壺などの展覧会などもよくやっているようです
TBなんてのがあるのがわかって使わせてもらいました
ところで先日久しぶりにファンクのMLが盛り上がりました
Yセンセイなんかまた集まりたい、って書いてましたね
暮れか年明けにでもまた何か仕掛けようかなぁ、と思ってます
その節はまたお出会いしたいですね
Posted by アンクルアンクル at 2011年10月02日 10:13
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