2012年08月13日

坐禅

今年も比叡山へ…

坐禅


参禅修行と銘打たれているとおり、修行は「坐禅」が中心です。
まず、午後のお堂でさまざまな注意事項を聞いたあと、おおよそ20分ぐらい軽く坐ります。
さらに就寝前に、おさらいと次の予習を兼ねて、こちらは各部屋で40分ほど坐ります。
入浴などで周りを絶えず人が動くので、ガサガサと落ち着かず、本格的な坐禅とはほど遠いのですが、逆にその方が普段の生活で「坐禅」をする状態に近いので、それをイメージしながら、それなりに坐ります。
そして、極めつけが朝5時に起きてすぐお堂に入り、本格的に一炷(いっしゅ)40分坐る朝行です。

坐禅の作法を簡単に説明すると、まず懺悔文(さんげもん)を唱えて、自らのそれまでの所業を反省し、お堂に入ります。
体をほぐして、坐蒲(ざふ)の半分に座り、左足を右モモの上に乗せる“半跏趺坐(はんがふざ)”を組みます。
体を左右に動かして安定させ、背筋を伸ばし、左手を右手に重ね卵形をつくる定印(じょういん)を結びます。
さらに、体を前後に動かしながら呼吸を整え、目は半眼でボーッと先に視線を落とします。

呼吸の吸って吐いてを1回として、それを数えます。
もちろんこの間、動くことも物音ひとつ立てることも許されません。
それが苦しくなるようなら、警策(きょうさく)という棒で背中を叩いてもらいます。
自分からお願いする場合と、直堂(じきどう・監督のお坊さん)が必要と見て叩く場合とがありますが、どちらにしても気道が開き、楽になれます。

坐禅


呼吸を数えることのみに集中すべきと云われますが、実際はそんなに簡単ではありません。
経験すればわかることですが、あれやこれやと頭の中を駆け巡り、じっと数え続けるなんて、なかなか出来るものではありません。
なので、そこであまり「集中しよう!しよう!」などと思わず、心のおもむくままにしておきます。
ちょうど、掻きまわして濁った水溜りがやがて静かに澄んでいくように、そのうち “心の濁り”も静かに落ち着いてきます。
少し激しい運動のあとは身体がすっきりと軽くなるように、こんな風に坐ったあとは心がすっきりと軽くなります。

坐禅


注意すべき点だけをキチンと守れば、お堂でなくても、どこででも坐禅は出来ます。
アンクルは日常生活でも、時間を見つけてよく坐ります。
その際は、座布団をふたつ折りにして坐蒲の代わりにし、カーテンなどで部屋を少し暗くして、場合によっては目覚まし時計をセットなどし、出来るだけ静かな環境を保ちます。

少しの時間でも、続ければだんだんとスムーズに坐れるようになるものです。

そして同時に、心の中の“こだわり”や“とらわれ”も、次第に見えて来るようになります。


タグ :情景

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