2011年08月03日

フェルメールからのラブレター展

岡崎の京都市美術館へ。
実は、前述の「おがわ」を訪れる時間が遅くなって、そのやりくりをつけなくてはならず、急に地下鉄のつり広告を見て決めたのでした。
安易な動機です。美ガールSさんに知られたら、キツ~いお叱りを受けそう。

フェルメールからのラブレター展


フェルメールの作品は3点展示されていました。
主として手紙によるコミュニケーションを反映した作品が選ばれています。
特に、修復された「手紙を読む青衣の女」の世界初公開が今回の目玉のようです。
鮮やかによみがえった、フェルメール・ブルーが堪能できます。

フェルメールの3作品だけは別室展示でしたが、いわばこれは人寄せパンダみたいなもの。

この展覧会の本来の目的は、17世紀にオランダで流行していた「手紙」をひとつの題材に、さまざまなコミュニケーションのありようを描いた当時のオランダ風俗画の美しさを紹介すること。
それを、しぐさなどによる人々のやりとりや家族の絆にまで領域を広げ、いくつかの項目に分けて展示することにあり、と見ました。

当時、先進国のひとつとして繁栄していたオランダの豊かさは、教育を充実させ、識字率を高め、学問や芸術の発展を支え、また、それを享受する余裕を生みだしていました。
そんな背景から、手紙を文化の一部として流行させる一因があったのです。

フェルメールからのラブレター展


フェルメールのみならず、他の風俗画家たちの作品のほとんどが、暗い影の部分に明るい光が差し込む瞬間を描いています。
この光と影の明確な対比がとても印象に残りました。
おそらくそれは、同時代のオランダの大家、レンブラントの影響があるものと思われます。
事実、作家の多くがレンブラントの工房から出た、と解説にありました。

この光と影の捉えかたと、人々の普通の生活を描くオランダ風俗画の流れに、その後のフランス印象派に連なっていくきざしを、ふと感じたのでした。



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Posted by アンクル at 20:57│Comments(0)アート
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